先日、アトリエに猫太郎が来た。
私が「アトリエ」と呼んでいる制作スペースと、猫太郎が撮影をしているスペースは別なのだ。
あまり一緒にいると喧嘩になるので、基本的には別々に作業し、時折協力する。このくらいが我々にはちょうどいいのである。
今回は、撮影の際にどのような構図にするかを確認する必要があったため、お越しいただくこととなった。
「せっかくだからコーヒーでも買っておいてやるか」とコンビニに赴き、待つこと15分。
手土産もなしにやってきた猫太郎は、「いやぁ、あついあつい」と用意しておいたアイスコーヒーを半分ほど飲み干すと、「ちょっと失礼」と言いサーキュレーターの前を陣取り、涼み始めた。
ちょうど、猫太郎に返す予定だった収納ケースがあったので、椅子として進めると、「やぁ、どうもありがとう」と言い着席した。
ちゃんとした椅子がないわけではないのだが、運ぶのが少し面倒だったのである。
そうして、軽く制作について会議をして、作りかけの背景を確認したのだが、ここに来て「この材質は、あのシーンの背景としてはおかしいのではないか?」という話が出てきて、揉めに揉めた。
やれこれはおかしい、おかしくない、おかしい、おかしくない、おかしい、おかしくない……
話し合いは例の如く平行線をたどり、そのままこの日の会議は終了、猫太郎は帰路についた。
どうしたものかとAIに相談してみると、「極夢さんと奇怪田さんは、別々の視点から意見を言っているので、どちらが間違っているということはありませんが、このまま話し合っても永遠に解決はしません」というような回答であった。
視点が違えば、見えるものが違う。見えるものが違えば、考えることも違う。考えることが違えば、意見もぶつかる。
厄介な相手ではあるが、だからこそ面白い、というのもまた事実なのである。
ちなみに、猫太郎は座っていた収納ケースをなぜか置いて帰った。
「使わないから持って帰ってくれ」と言ったのだが、持って帰ってしまうと、次回自分が座る椅子がなくなると、思ったのかもしれない。

猫太郎の椅子。


