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結局使うのは12本中5本くらい

2026/1/22
in ストエレの奇妙な制作日記

人生には、無駄も必要である。無駄とは「役に立たない」「無益」という意味であるが、人生から無駄を排除したら、それはとても味気ないものになってしまうだろう。

しかし、無駄なものはどんなに取り繕っても、所詮は無駄である。

特に、我がアトリエのように、気を抜けばすぐに足の踏み場がなくなるような危険地域においては、無駄なものはできる限り排除したい。

そんな思いとは裏腹に、私極夢幸雷は、最近「無駄なもの」を増やそうとしていた。ちょっと豪華な「粘土のヘラセット(プロ仕様)」が欲しくなったのである。

これまでは100均のネイル用品などで代用していたのだが、この頃「もうちょっと便利なヘラが欲しいなァ」と感じることが増えてきたのだ。

そこでAmazonで見つけた12本入で2,800円とお買い得な「粘土のヘラセット(プロ仕様)」を購入しようと思ったのである。特殊な形状のヘラが12本、ずらりと並ぶ様はなかなかカッコいい。

ただ、はたして本当にこれだけの本数が必要なのか、疑問ではある。ストエレの制作には常に魂を込めプライドを持ち臨んでいるが、これだけの本数のヘラを、今の私が使いこなせるとは、どうにも思えないのである。

そこで、ストエレの人形制作をメインで担う猫こと奇怪田猫太郎に「最近ヘラを買おうと思ってるんだけど、どんなヘラが必要かな?」と軽く相談してみたところ、「俺すごいの持ってる。プロ用のやつ」とドヤ顔をしてきた。よくよく話を聞いてみれば、猫太郎が持っているのは私が買おうとしたのと全く同じものであった。

猫に小判、という言葉がフッと浮かんできたが、飲み込んだ。これは魂とプライドを持って制作に臨むものにかけるべき言葉ではない。

そんな私の気遣いをよそに、猫は言う。

「丈夫だし使い心地も良いんだけどね、あの値段はちょっと不満かも。だって、結局使うのって、12本中5本くらいなんだよね。5本で2,800円って別にお買い得でもないなって」

なるほど、やはりそうか。

私はとりあえず、猫から「粘土のヘラセット(プロ仕様)」を借りることに決めた。場合によっては、猫が使っていない残りの7本を貰えば、なんとかなるかもしれない。

ただ、やっぱり専用の器具というのは、数が揃っているとカッコいいのである。5本より7本、7本より12本。このカッコ良さが無駄ゆえに生まれるものなのだとしたら、「無駄」はやっぱり必要なのかもしれない。

猫さんご自慢の粘土のヘラ(プロ仕様)と撮影中のベラとプッピス。


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