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魔法のランプと目玉焼き専用プレート

2026/2/19
in ストエレの奇妙な制作日記

暖かい日差しに誘われ外に出てみれば、ふと鼻をかすめる、何かを燻したような香ばしい匂い。発生源は何を隠そうこの私、極夢幸雷である。

私がこのように焦げ臭くなったのには、理由がある。ことの発端は3日ほど前、我がバンドの奇妙担当、奇怪田猫太郎が私にくれた4本の竹串であった。
この竹串は猫太郎がふらりと立ち寄った店で購入したものらしく、先端に金属製のクリップが取り付けられていて、「クリップで粘土作品を固定しそのままオーブントースターで焼くことができる」という優れものであった。
意外と慎重な性格である私は「これってトースターで焼いても燃えないの?」と猫太郎に確認したのだが、猫太郎は「大丈夫大丈夫、俺いつもこれで焼いてるし、粘土を焼く人はみんなこーゆーの使ってるのよ」と言った。

「みんな使っているから大丈夫」という言葉にまんまと安心した私は、その日早速、竹串クリップを使い慎重に粘土を固定し、トースターへと放り込んだ。

すると、なんということだろう。

ものの10分もしないうちに、トースターの隙間からモクモクと白い煙が溢れ出したではないか。最初は「粘土が焦げたのか!?」と思ったが、先日購入したコスクレイは、この程度の時間で焦げるものではないし、温度設定も間違っていはない。さらにしっかりアルミホイルも被せているため、可能性としては低い。また、購入したばかりのトースターの故障というのも考えにくい。

では何か?

竹串である。

「くそ、あの猫野郎!騙しやがった!」

そんな悪態をつきながらトースターの扉を開けると、魔法のランプのごとくドバッと煙が溢れ出す。チラリと天井を見たのは、ジーニーの登場を期待したわけではない。万が一スプリンクラーが作動するようなことがあっては、大惨事だからである。

私は素早く窓を全開にし、机の上にあったクリアファイルを両手に掴むと、水辺から飛び立つ白鳥のごとく、全力で両腕を振り回し風を送った。そしてある程度の煙を逃したところで、トースターから竹串を回収する。

黒焦げである。

……が、しかし。その時、私は自分が犯した痛恨のミスに気づいた。

私は竹串を、トースターの付属品として付いてきた「目玉焼き専用プレート」の上に載せていたのだ。

トースターの網にそのまま置くと、隙間から竹串が落ちてしまうため、近くに放置されていた目玉焼き専用プレートに「ちょうどいいや」と載せたのであるが、これは「パンと同時に目玉焼きが焼ける」という優れものであるので、おそらく熱伝導率が非常に良いのだと思われる。

目玉焼き専用プレートの上で熱された竹串は、おそらくトースターの設定温度の130度以上の温度で、熱せられたに違いない。その仮説を裏付けるかのように、同じプレートの上で熱せられたコスクレイにも、明らかに加熱しすぎな様子でプスプスと気泡のようなものができていた。

猫太郎のせいではない、竹串のせいでもない、私極夢の自業自得である。

スプリンクラーの作動こそ免れたが、煙に燻された結果、私のコートは焦げ臭くなった。

ちなみに竹串に関しては、水で濡らしたり、アルミホイルで巻いてからトースターに入れるとより焦げにくくなるとのことである。換気をすることももちろん大切であるが、竹串クリップを使用する際は、ぜひ意識していただきたい。

焦げた上に救出の際に折れた竹串クリップと極夢お気に入りの目玉焼き専用プレート。


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