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探し求めていたもの

2026/1/15
in ストエレの奇妙な制作日記

「これは……!」

2026年、年明けそうそう、私極夢幸雷は不審者ムーブをかましていた。しかし今回ばかりは目を瞑っていただきたい。仕方がなかったのだ。だって目の前には、長年喉から手が出るほど欲しかった、1枚のCDがあったのだから……。

話は数日前にさかのぼる。私はその日、所用で渋谷へと出かけてきていた。

暖冬といえど1月の東京はそれなりに寒い。用事を済ませて帰路に着くころには、私の体はすっかり冷え切っていた。

そこで、電車に乗る前にどこかでコーヒーでも飲んで温まるかと手近なビルに駆け込んだところ、ある店を見つけた。

それは、スクエアエニックスの公式ショップであった。

目の前には、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのキャラクターのぬいぐるみが、ところせましと並んでいる。どうやら奥にはフィギュアもあるようだ。

渋谷にこんなに素敵なお店があるなんて知らなかった!とウキウキで店内へと足を踏み入れ、隅々までグッズを物色する。個人的にはメタルスライムの貯金箱が気になった。なんとなくお金が溜まりそうである。

冷えていた体もいつの間にか温まり、「さてそろそろ帰ろうか」と思ったその時、ふと目の前の「サウンドトラックコーナー」の棚を見て、私は目を疑った。

そこには、私が長年喉から手が出るほど欲していた、マリオRPGのサウンドトラックが陳列されていたからだ。

マリオRPGというのは、スクエニと任天堂が共同開発したいわずと知れた名作で、ゲームの内容だけではなくその音楽も大変素晴らしいのである。しかし1996年に発売されたスーパーファミコン版のサウンドトラックのCDはずいぶん前に絶版となっており、15年ほど前は8万円、5年ほど前はさらに値上がりして13万円という高額で取引されていて、とてもじゃないが手を出すことができなかったのだ。

それがなんと、すぐ目の前にある。

「これは……!いくらだ?」

それが、真っ先に抱いた感想であり疑問であった。流石に13万円のものを、こんな風に普通に並べることはないだろうが、マリオRPGのサウンドトラックには、過去にそれだけの値がついていたのもまた事実である。

私は震える手でCDを手に取り、そっと裏返す。そこには、3,500円と記載されていた。

そして、ピンときた。

「そうか、リメイク版か……」

私はガックリと肩を落とした。

そう、マリオRPGは2023年にリメイクされ、現在はSwitch版が販売されているのだ。Switch版では音楽もバージョンアップされ、より華やかなものとなっているのだが、私が求めているのは、あのスーパーファミコン版の、どこかレトロなサウンドなのである。

「これじゃないんだよぉ……!」

メタルスライムに出会い、逃げられたらこんな気持ちだろうか。

幸い、サウンドトラックコーナーは人が少なかったので、怪しい女がCDを片手に喜んだり落ち込んだりしていても、おそらく誰にも迷惑はかけていないだろう。そう信じたい。

しかし、こうしてリメイク版が出たのなら、もしかして絶版になっていたあのCDも価格崩壊を起こしているのでは?いや、あるいはSwitch版が出たからこそ、さらに価格が高騰している……?

そんなことを思いながら帰り道にスマホで調べていると、なんと2025年に発売されたボックス版の4枚組サウンドトラック(7,500円)ならスーパーファミコン版の音源も収録されているというではないか。

「マジか」

と電車で思わず声が出た。

ゲーム音楽については、まだまだ語りたいことがたくさんあるのだが、今日はこの後、猫太郎との会議が控えているので、このあたりで筆を置く。

余談ではあるが、私はドラクエ派であり、猫太郎はFF派だ。どちらも名作であることは疑いようもない事実だが、今日の会議も荒れそうである。

Switch版ストエレとスーファミ版ストエレ。


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