Close
STRANGE ELECTRIC DREAMS
  • Home
  • Blog

勇者よ、伝説の剣を授けよう。なぜなら私はもっとすごい剣を手に入れたからだ!

2026/3/13
in ストエレの奇妙な制作日記

……と、タイトルのようなことを、言われたら、100人中100人が「そっちの、もっとすごい方の剣をくれよ」と思うだろう。

これは言い方の問題で、はじめから「実は最近、新しい剣を買ったから古い剣が余ってるんだよね。もしよかったらいる?」などと聞かれたら、素直にありがたくいただく。

しかし、「いいものをやるから感謝しろ!」と言わんばかりに、タイトルのような言い方をされるから、少々引っかかるものがあるのである。

それなりにデリカシーのある人間なら、多少は言い方に気を遣うと思うのだが、私、極夢幸雷はつい先日、猫こと奇怪田猫太郎に、こう言われた。

「人間クン(猫太郎は私をこう呼ぶ)、君にこのプロ用の粘土のヘラをあげよう。なぜならおれは、もっとすごいヘラを買ったのだ!」

ドヤ顔の猫太郎は、そう言って私に粘土のヘラ12本セットを差し出した。これは元々は借りる予定だったものであり、もらえるというのなら素直に嬉しい。嬉しいのだが、「おれはもっとすごいヘラを買った」などと言われると、やはり「そっちをくれよ」と思うものである。

よくよく話を聞いてみると、以前購入した粘土のヘラ12本セットが、リニューアルされて再販されることを知り、そっちが欲しくなった猫太郎は「そうだ、人間にあげよう!感謝もされて新しいヘラも手に入って一石二鳥!」と思ったらしい。

偶然にも、数日後には極夢の誕生日が控えている。粘土のヘラ(中古)を誕生日プレゼントとして渡せば、二鳥どころか三鳥である。

ならばせめて「おれはまた別のヘラを買うからいいよ」などと適当に言っておけば良いものを、「感謝もされたいけど、新しいヘラも自慢したい」という欲望に素直に従った結果、先のような発言に至ったのだろう。

デリカシーがないというよりは、自分の気持ちに正直なのかもしれない。

そう言えば以前猫太郎は、スタジオでひとり歌の練習をしていた私のところにふらりとやってきて、「いやぁ、人間さんが頑張ってるから、差し入れにクッキーを持ってきたんだけど、なんか美味しそうだったから途中で食べちゃったんだよね。だから、気持ちだけ」と言い残して去って行ったこともある。

心の中に残る、なんとも言えないこの気持ちを、なんと言い表せばよいのだろうか。

さて、私は今猫太郎にもらった粘土のヘラを使い、スカルピーで制作をしている。そして最近購入したトースターで焼き上げたのだが、温度調節に失敗して、見事に焦げた。

トースターを開けて粘土が焦げていた時の気持ちと、猫太郎に対して感じた「なんとも言えない気持ち」は、どこか似ているかもしれない。

なんか模様っぽい!


←前: 答えはいつでも胸の中に
次: 最後に行き着く場所→

STRANGE ELECTRIC DREAMS All Rights Reserved.