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猫とプッピスと奇怪田猫太郎の誕生秘話

2026/7/16
in ストエレの奇妙な制作日記

自慢だが、奇怪田猫太郎という名前は、私がつけた。

私はどちらかというとネーミングセンスはない方なのだが、この名前を閃いた時は、我ながら最高の名前を思いついたと悦に浸ったものである。

しかし、私が猫太郎を「猫」と呼びだしたのは、実はこの名前が付く何年も前である。

当時我々は、ストエレの前身であるバンド(といってもやっぱりふたり)で、楽曲制作をしていた。

その頃は今のようにストップモーションの制作も、照明の制作もしておらず、「曲ができたぞ!よし、スタジオで練習だ!」という比較的ノーマルな流れで、バンド活動をしていた。

……のだが、私はたびたび、憤慨していた。

猫太郎(当時はこの名前ではない)が、たびたび遅刻をしてくるのだ。

私も猫太郎も、社会にはあまり適合できないタイプだと自負しているが、だからこそ、私極夢は、バンド活動にだけは非常にストイックであった。

そんな中、猫太郎がスタジオに、1時間遅刻してきたのである。

100歩譲って、ミーティングならまだ許せる。

でも、スタジオに遅刻してくるのだけは許せなかった。

「あのクソ野郎、ふざけるな。バンド活動すらちゃんとできないなら、お前はどこでちゃんとするんだ」と、自分のことはきれいさっぱり棚に上げ、怒りが込み上げてくる。

頭に血が上り、今にも血管がはちきれそうになりつつ、ふと思った。

「怒るのは、体に悪い。美容にも悪い。しかもあいつは、怒ったところで治らない。それならば、怒るのをいっそやめてみたらどうだろうか?」

なかなかの名案である。

そこで思いついたのが、私のスマホに登録してある、猫太郎の連絡先のアイコンを、可愛らしい子猫にすることである。

待ち合わせに奴が現れない時、いつもブチ切れつつ鬼電をしていたが、このアイコンを見たら、心穏やかに接することができるかもしれない。

私はギターを片手に、ネット上に存在するものの中から「最も可愛い子猫の画像」を選び、奴のアイコンに登録した。ついでに、名前も「猫」と登録し直した。

そう、きっと奴は猫なのだ。何にも捉われず、自由気ままに生き、そして最高の音楽を奏でる、そんな猫だ。猫なのだから、時計も読めなくても仕方がない。時には道を間違えることもあるかもしれない。

スーッと怒りが静まっていくのを感じ、私は穏やかな気持ちでギターを弾きながら、「猫」の到着を待った。

そしてガチャリとスタジオのドアが飽き、猫は悪びれもせずにこう言った。

「いやー、寝坊しちまった♪」

ブチッと頭の血管が切れる音を、この時確かに聞いた。

—

その後、紆余曲折あり、「ストップモーションでロックバンドの物語を作ろう」ということになった。

そして誕生したのが「猫のプッピス」である。

モデルは猫であり、そのプッピスにあやかり、猫は「奇怪田猫太郎」へとアップデートされた。

ちなみに、ベラとプッピスは我々と同名のバンド「STRANGE ELECTRIC DREAMS」を結成しているが、我々と彼らは別である。

彼らは我々にとって、夢と理想を詰め込んだ「最高のロックスター」なのである。

もちろん、彼らの冒険が、ここからどう進むのかはまだ誰も知らない。

だが、自由気ままな猫のプッピスと、夢を追う少女ベラの物語は、きっと想像を超えた最高の物語になると、心から信じている。


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